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問梅閣 高啓

問梅閣 高啓

春(はる)に問(と)う何(いず)れの処(ところ)よりか来(きた)る
春(はる)来(きた)って何(いず)れの許(ところ)にか在(あ)ると
月(つき)堕(お)ちて花(はな)言(い)わず
幽禽(ゆうきん)自(おのずか)ら相語(あいかた)る

[語釈]
問梅閣=閣(二階造りの建物)の名(南京の東北の庭園「師子林菴」の中にあった)。
幽禽=人里はなれた静かな山奥に住む鳥。

[大意]
梅の花に尋ねる「春はいったいどこから来るのか」と。
そして「春は来てからどこにとどまっているのか」と。
月は西の空に沈んだが、梅の花は何も答えてはくれない。
ただ山奥から飛んできた鳥だけがさえずって「ここだよ」と、春を告げているのである。

[鑑賞]
ほの白い梅の花、静かに沈む月、「春は何処から」と問う春を待ちわびる心、まことに趣のある詩である。

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